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12月20日
最終日の朝。小雨。 少し早めにギャラリーに行き、鍵をあけてから部屋に戻って、11時過ぎにおりて行くと、高知新聞の西森さんがいらっしゃいました。掲載紙を届けにわざわざ出向いてくださったのでした。 新聞掲載記事についてはいろんな意見がいつも生まれるようですが、今回の私の記事はしっかりとした取材をもとにきちんと書いてもらったとおもいます。とてもありがたいことでした。その気持ちを直接伝えお礼をのべることができてとてもよかったとおもいます。 雨なのでくじドロパーテーションを外に出せず、ワークショップ作品の向こう側に私のドローイングがある、というしつらえにふたたびなりました。 くじドロ制作用机に向かい丸椅子に座って、沢マン一階のこの場所から一日外を眺めて過ごしました。 来場者は、夕方まで西森さんのあとはお隣のカフェ藁やの笹さんひとりでした。途中で岡本さんが搬出のことで寄ってくれましたが。 この記事を書いている今は、それから一週間以上たってしまったので、そのとき何をしていたのかしっかり思い出せないのですが、なにかとてもゆっくりとした良い時間が流れていたように思います。 午後7時が近くなり、さあいよいよ私のTIME EVOLUTIONもひとまず区切りという時でした。 ひとりの、リュックをしょって派手気味なファッションの小柄な女性が風のように入って来ました。推定年齢70才少しぐらいです。 「あらもう終わり?まだやってるんでしょ?」といいながら、会場内をぐるりとまわる。 くじびきドローイング名作集をいくつか手に取ってみたあと、「これは売り物なの?」という。「いくらなの?」と続く。 「これは一冊ずつの手製本で、これ自体は売っていなくて、注文があれば手製で作りますが、とても手がかかるので一冊2万円です」と答えると、「そんなのおかしい」と切り返された。続く彼女のことばを要約するとこうです。 このひとつを売ってしまってそれきりというのが作品であって作品の価格はそれで決まる。版画のように複製があるのなら、その複製がいくつあるかで価格は変わる。そんな価格の決め方では、この本が作品であるとは認められない。純粋ではない。 いわれた通りだと思いました。返す言葉がありませんでした。 ただ、くじびきドローイング手製本には私なりの熱い思いがありました。 作品選びから始まって、作品スキャン、画像補正、ページ編集、印刷、糸とじ製本、表紙作り、、と、時には他者の手も借りながらの膨大な手間のかかる作業だからです。だから、もう一度、この作業を、となったら、一冊2万円くらいが妥当かなと考えたのでした。 でも、もとより作品の価格は、手間賃と材料費から算出されるものではないし、一冊しかないなら、その一冊に価格をつけて、買い手がついたら手放すか、複本はたとえば三冊までと明記するか、するべきだったのでした。 手製本の制作をこんなにも大切にして来た私なのに、どんな位置づけで作って来たのか、自分でわかっていませんでした。 そのことに気付かせてもらいました。こんなことではプロとはとても言えない自分についても。 そのNY在住アーティストである中岡利枝さんは、そのこと以外もたくさん話して行きました。 NYにやってきて、人を頼ってばかり自分ではなにもできない人、困るのよね。あなたもね、NYに来るの自由だけど、うちには来ないでね。 「くじびきドローイングやっていだけますか?」と言うと「どうして人が決めたタイトルで絵を描かなきゃならないの?私は自分の絵のタイトルは自分で決めてるの!」というお返事。 くじびきドローイングは誰でも楽しめるハッピーアイテム、だなんて、私は尊大だった。そのことにうすうす気付いてはいたけれど気付かないふりをしていました。もちろん、そうであっても、なおかつくじドロは続けるのですが! あらもう搬出ね。わたしちょっと用事があって出かけるけどあとで戻って来て手伝ってあげる。 そういって中岡さんはまた風のように去っていきました。 私は、このかっこいいおばあちゃんアーティストが一度に気に入りました。 私の高知での個展の最後の来場者がこの人であったことは本当によかったと思いました。
by hisakoinui
| 2016-12-28 12:27
| 展覧会報告
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