6月✖️日
夕方から雨があがったので、クッキーと散歩に出かけました。
犬の散歩といえば、運動と排泄が目的でそれが片付けば早く帰って家事をしたい普段の自分ですが、今日はそんなルーティンから少し解き放たれたくなるような雨上がり、クッキーの行きたいところにどこまでも付き合うと決めて歩いたショートトリップでした。
30分ほど歩いた頃でしょうか、スズケン酒店の前で、山田さんに会いました。
あ、山田さん、お久しぶり!
あら、乾さん!!こんな方までお散歩?それにしてもお久しぶり!
立ち話数分。
私は山田さんがすぐにわかり山田さんも私がわかったのに、何の繋がりでしたっけ?と、久しぶりの根拠がお互いにわからない。
子どもの同級生のお母さん、つまりママ友だったっけ?とそれぞれの子どもたちの生年を告げ合うとどの子も学年が合いません。
幼稚園の保護者会でしたっけ?と山田さんが幼稚園の名前をあげ、いえいえ、うちは三人とも保育園でしたからとこれもバツ。
そしてようやくお互いに顔を見合わせて思い出す。あ!!そうだね、あれだ!!読み聞かせだね!!
私たちは、もう10年以上前に、地元の小学校で、読み聞かせボランティア、お話おばさんをしていたのでした。
小学校の図書室、読み聞かせ記録簿、教室で体育すわりで待っていてくれた子どもたち、お話のろうそく、誕生月の子がろうそくを消してその時にみんな心の中でお願い事をする、、、いろんなことを思い出しました。
この前若い中学の先生に読み聞かせの方ですよねと声をかけられたという山田さん。あの頃の子がそんなに大きくなっていてしかも覚えていてくれたんだよねと。
実は私も以前、非常勤で勤務していた高校で同じように生徒から話しかけられたことがあるのでした。先生もしかして小学校でお話ししてくれてた?と。
個展が近づいてきて、美術のことばかり考えていたこの頃でしたが、そうだ、私にはそんな世界もあったんだなと何だかとてもうれしくなりました。
私を作っている成分というアプローチで自己分析をしてもいる最近なので、ああ、この成分もあったんだなとも思えました。
私という人間はいろんな成分いろんなかけらで成り立っている。
世界もいろんな成分いろんなかけらで成り立っている。
整合性も一貫性もなく浮かびながらモノとモノは緩やかに関係を持ち、世界は柔らかく膨らんでいる。
こんな世界観をこの頃は持っていますが、それは今日の雨上がりの散歩の中の風景、山田さんとの再会という出来事が、小さく証明してくれたように思いました。