壁にペイントした作品のうえにペンキを塗って消していく作業。
あんなに時間をかけたのに、とか、このライブペイントは2度と描けないのにといった感傷は不思議と生まれませんでした。
作品は、これを見てくれた人と描いた私の記憶の中にだけ存在することになりました。写真はその記憶をよみがえらせるための記録でしかなく、ほかには、見なかった人たちに伝えるための資料となるだけだ、という事実も消しながら顕在化していくのでした。
とてもリアルな作業でした。
金属の壁の上に描いた幅3メートル縦1.5メートルほどの作品が、溶剤で全部は落とせなくて苦労しました。物理的な力でこすり落とすほかなく、夜には肩が上がらない、ハンドルが握れない、、などになり、二日目は息子にも助けてもらった。設置から搬出まで、身長と腕力の点で男性の力を借りないと出来ないことがたくさんあった展覧会でもありました。一番長い脚立のてっぺんに立っても届かない作業がありました。課題です。
片付けはまだ続いています。