さてこれはとても楽しい写真の作品。No.233『上鰕池名画館』 大成哲雄/竹内美紀子
名画のパロディといってしまえばそれまでだけれど、あの有名な美術作家の『引用』芸術とは一線を画する自由と楽しみがありました。
扮するのは集落の人たち、撮影地もすべて集落の中。
あっこれはセザンヌのトランプをしてるあの作品、これもしかしてゴッホの糸杉か、うう、これはまちがいなくムンクの『叫び』だ、、、と自分の『教養』を引っ張りだしてくるのが楽しい。
マネの『草上の昼食』ですよね?あの名画と違うのは裸の女の人がいないことでしょう。
レオナルド・ダ・ビンチ『最後の晩餐』にちがいありません。見事な一点透視図法でした。キリスト役は村長さんなのでしょうか。ではユダは?
アンチンボルトです。村で収穫された野菜なのでしょうね。
妻有の人たちとの『協働』は、このトリエンナーレの第一回からのコンセプトの一部のようですが、借り物をしたり作業を助けてもらったり、ワークショップをするといった従来のやりかたでなく、こんなふうに人々を作品そのものに巻き込んで行くのもありなんだと感心してしまいました。写真作品自体のクオリティが高かったからよけいにそう思えたのかもしれません。