11月9日 一時帰国中の福島世津子さんと待ち合わせて東京を歩く。
茅場町から日本橋へ。
ギャラリー砂翁へ久しぶりに行く。何人かの知り合いが個展をしている企画画廊だ。ここで3回作品を買った。今回、作品プライスを見て驚いた。安いのです。作品を見ることよりもギャラリーの台所事情を想像してしまう。どこも厳しいと言うけれど。
日本橋では鰹節屋さんなどに入って、買い物はおばさんながらこころは女子高生のはしゃぎぶりの私たち。たのしいたのしい。
日本橋から京橋へ歩いてINAXギャラリーへ。戦前の家具のデザイナーの作品、すごくよかった。大正から昭和にかけてのあの時代、どの文化を切り取ってもすばらしいなあとおもう。
ギャラリーKで用事を済ませ、京橋のかつての画廊あとをせつ子さんに伝える。あそこもここもこの一年でみんななくなってしまったんだよ、と伝えながら時代の変わり目を改めて実感する。
京橋から新橋に向かって銀座を歩く。若者の街に変身中という銀座。確かにすこし変わって来たかもしれない。
資生堂ギャラリーで駒井哲郎を見る。初期の版画はクレーにそっくりだ。それでいいのか、あの、歴史に残る一点があれば。きっとそれでいいのだろう、というか、そうであったから生み出せたのかもしれない。
新橋まで歩いて銀座線に乗って青山のトキアートまで行く予定だった。そのあとさらに六本木の森美術館か新宿のICCだって行けそうな私だった。
けれどおりから風邪気味のせつ子さんは、今日はもう無理かもと言う。確かにそうだよね。
それで銀座ナインのモスバーガーで休憩。
休憩しながらいろいろなことを話した。
ユニットとしてのあたらしい作品のこと。もうひとつ別のユニット名のこと。これからの展開。
ギャラリーをまわって得ることの何倍もの気付きと深まりがあった濃い時間だった。
見ることでしか学べない、とか、人と出会うことでしか生み出せない、と思い詰めるあまり、ゆっくり内側を深めることをおろそかにしてしまう、せっかく上京してるのだから無駄なく動かなくてはとケチケチしてしまう走り過ぎの私。もっと贅沢に生きなくちゃね。
銀座のモスバーガーの2時間はほんとうに豊かだった。
明日はふたたび茅場町で待ち合わせ。