豊田市美術館
石上純也 建築のあたらしい大きさ
ベネチアビアンナーレ建築部門金獅子賞の人、ということしか知らずに出かけたが、とてもとても面白かった。『小さくて低密度で広範囲な建築。どこまでもつづく風景のような開放感と空のような広大さと雲のような軽やかさがある建築。』かれがそう言葉でいっているものが、具体的に美術館の中にあった。とても美しかった。
今年の夏、直島の地中美術館の安藤忠雄の建築にふれ、この巨大なコンクリートの固まりはもうちがう、と感じた。もうこういう時代ではないと思った。そして、石上純也にその答えを見つけた。
静岡 サイズギャラリー 杉森順子展
映像作家としての杉森さんの初個展だ。金属のオブジェに映像を投影するインスタレーション。
作家活動はまだ日が浅いとはいえ、彼女は映像のプロフェッショナル。テレビ局や番組制作会社でずっと商業映像を作って来て、今は工学部で教鞭をとる。
映像のプロ、さすが作品にスキがない。
しりあって数年経つのに今回はじめてゆっくり彼女と話した気がする。
職場とアトリエと自宅の3カ所を駆け回っているのは私と同じだった。多分わたしよりずっと忙しい。
最近ファンになった『はこアニメ』の作者、伊藤尚未さんがあらわれ、彼女と同窓だと知り世の中はせまい。
おまけにあの岩井俊雄と杉森さんは筑波の同級生なんだそうで、それでウゴウゴルーガの誕生裏話など聞けて面白かった。高校生たちによく岩井俊雄のDVD見せてるわたしです。(だって教科書にのっているのだもの。)
展覧会を見て、制作もして、心地よい疲労とともに寝付けるはずの日曜の夜、何十年ぶりかで読書感想文まで書き上げました。当分、母に口答えはしないだろう。