木曜日、何年ぶりか(もしかしたら10年以上)で、油絵を描きました。
色のあるドローイングを始めたら、もっときれいな色の絵を描きたいなあと思ったのです。
金曜日の朝、久しぶりに弟に電話をしました。息子の受験のことで聞いてほしいことがあったのです。よい時間が持てました。
お昼前、非常勤で勤務している高校へ行き、やはり息子のことである先生に相談にのってもらいました。とても、わかりやすく親身な、あたたかい内容でした。嬉しい言葉もたくさんくださり、聞いてもらってほんとうによかった。
午後、工芸の授業用に銅板を買いに画材店にいくと、ホルベインの油絵の具の箱が目に入りました。きっと午前中のことであたたまっていた自分の気持がそうさせたのだと思うのだけど、9000円のそのセットを買ってしまいました。
考えてみると、油絵の具をセットで買ったのは生まれて初めてです。
10代の頃、絵を習いに行っていた蓮花寺池美術研究所では、世間のみんなが持っているような木箱セットなど買うなと言われました。あれは絵の具も筆も安物だ、木箱にかける分を絵の具代にしろ、というのが芸大出たての若夫婦先生たちの教えでした。
それで私は、絵の具はクサカベ、筆はナムラで、先生たちに言われたとおりの画材をすべて揃える為に、これまた言われたとおりにはるばる芸大生協まで出かけ、上野で展覧会も見て、うちに帰るとミシンを踏んでばらばらに買った画材を入れる袋を自前で作ったのでした。
でもやっぱり色がそろった絵の具の箱はきれいだな。
アトリエに行くと、描きかけの小品と、なつかしいテレピンオイルの香りが私を迎えてくれました。