なりゆきでドイツの人にホームステイしてもらうことになった。4泊5日。
日本におけるドイツ年で、ノルトラインの室内楽のオーケストラの人たちがやってきたのだ。東京、浜松、京都と公演旅行をするのだが、浜松だけは日独文化協会受け入れでホームステイとなって、なぜかそのなりゆきで。
31歳の男性チェリストと聞きどんな人かと思っていたが、現われたのはトサカ頭にリングピアスのパンクな人だった。彼らのコンサートにも行ったが、残りの演奏家たちはみんな普通の、よくあるクラッシック関係の方々の雰囲気だった。もちろん彼も、演奏時は正装だったが。(トサカのまま)
結局ドイツ語はほとんど使わず、彼の英語に助けられながら過ごした。
はじめは、パンキーな雰囲気に合わせ、ニルバーナなど一緒に聴いたらゴキゲンだったけど、N饗アワーでショスタコービッチ聞き、カーステレオでかけた高橋竹山も好きだった。ふざけた雰囲気なのに話題はドイツの政情とか日本文化などで、日本食が好きで、実はまじめで繊細な人だった。
お昼を次男と3人で食べたとき、けげんな顔をしていたので日本ではこういうふうにたくさんの子どもたちが学校に行かない(行けない)で家にいるんだよ、学校がとっても大変だから。と話すと、驚き、かなりの時間真面目な顔をして何かを考えていた。
次男が将棋が好きと知ると、ネットで将棋を調べ(我が家にいながらドイツ語でサーフできるんだよね、当たり前だけど)『僕は将棋盤と駒を買って帰る、そして、ドイツに帰ったらルールを勉強して将棋が出来るようになりたい』などと泣かせることを言ってくれた。
引き受けた時は忙しいのにな、と、ちょっと気が重かったけれど過ぎてみれば楽しい数日間だった。また新しい友達が増えた。
トサカを許すコンサートマスターは日本にいるかなあ。