あっと言う間に時間がたってしまいます。
この二週間のあいだに見た展覧会のことを少しずつ書いておこうと思います。
『反重力 浮遊/時空旅行/パラレルワールド』豊田市美術館
反重力は物理のテクニカルタームで、宇宙を加速膨張させているといわれる重力に反する仮説の力だそうです。展覧会フライヤーによれば、この展覧会は『身体から解放されるような軽やかな空間性を感じ、世界を巨視的な視点で眺めて地上の価値観から離れ、宇宙的な視野を持つことを目指し』ているそうです。これを読む限りでは全然軽くないのですが、展覧会は軽やかで楽しめるものでした。
越後妻有で体験したカーステンへラーの妻有の家が今度は豊田の家になっていました。
内藤礼のあの繊細なインスタレーションは一番広い展示室を使っておこなわれていました。ひとりもあの透明なビーズの連なりを壊さずに会期を終えられるのかといらぬ心配をしたりして。
唯一の知り合い井上明彦さんは実際の無重力空間でのパフォ−マンス(?)映像。どうやって?いくら使って?なんて下世話な心配。エルネストネトは豊田市美の所蔵品。
『浮遊』というコンセプトは10年前のものという印象があり、それは社会における浮遊感が根拠だったように思います。平たく言えば世相を表していたという感じですが、この『反重力』はそうではないらしかったです。