小林カツ代さんが亡くなりました。とても残念です。
彼女のレシピに支えられて来た人は何万人もいると思いますが、私もその一人です。
自分の展覧会を優先して、子どもたちの運動会に行かなかったことさえある超減点ママの私ですが、世間のお母さんたち並みに子どもたちにそれらしいことをしてやれたかなと思うことがふたつだけあるのですが、そのひとつがご飯つくりです。
出来合いのものやインスタントはなるべく避け、手作りのご飯とおやつ作りをハハの仕事として自分に課していました。そこだけは守りたかった、といえば聞こえはいいけれど、それくらいしなければ子どもたちに申し開きできなかった。そんな、ハハの思いを知ってか知らでか、彼らはいつも文句も言わずに美味しそうに食べてくれました。高校生になって、きれいにからっぽに食べてくれたお弁当箱を洗う時にも幸せを感じたものです。
もとから料理好きではあったのだとは思います、でも、時間のなかった私は、小林さんの、簡単、早い、うまい!のレシピには、本当にお世話になりました。
保育園のお迎えが遅い時間になってもご飯だけは炊けているようにしておいて、あとは怒濤の時間の流れの中で超スピード調理、帰りにスーパーに寄れなくても、冷蔵庫の中にあるものでなんとかマシなおかずを食べさせられたのは、気取らない食材で美味しく簡単に作れる小林さんのレシピのおかげ、回鍋肉、キーマカレー、ブリ大根、ポークチャプetc いっぱいあります。。 レシピを暗記してオリジナルな味に発展させる楽しみさえ持てたのは、基本がシンプルだったからだと思います。
画像にあげた料理辞典は、いわゆるお惣菜、家庭料理というものを大切にしてきた小林さんの集大成の労作、私のたからものです。すっかり汚れてしまったけれど。。
大阪のおばちゃんそのままのあの語り口、あの声をもう一度聞きたいです。