7月27日
誕生日でした。
早朝目覚めてすぐにアトリエに行く、という大好きな日課を今日も普通にこなして、特別な日といっても私にはこれで充分と午前9時に帰宅。
帰るとすぐに固定電話が鳴って、懐かしい声、次男の将棋の師匠からでした、静岡から。近くA級棋士の久保を呼ぶから次男が帰省していたら指しに来ないかなあというのが電話の用件でした。
お声を聞きながら、次男を連れて初めて先生のお宅を訪ねた日のことを鮮明に思い出しました。苦しかったあの頃、誇張抜き藁をもすがる思いで門を叩いたあの日は平日で、その時刻に中学生が普通はそこにはあらわれないはずなのに先生はそれについては深くは聞かず『もっと将棋が強くなりたいです』といった次男の言葉を認めてくださったのでした。
当時の次男にとっての将棋が、学校に行かないことをあがなうものだったのか、それは本人でもわからないことだろうけれど、少なくとも母親の私にはこの子には将棋があると思うことが強い心の支えでした。将棋のおかげで保てた家庭であり家族だったとさえ言えると思っています。
当時のことを先生とゆっくりお話するのは実は初めてで、もう10年以上たとうというのに、こみ上げてくるものがありました。
『乾君は本当に強かった、僕はいつも全力で対局していましたよ。彼の将棋は重層的で深みがあった。奨励会に受かったS君とだったら20戦で20勝くらい力の差があったし、何より礼儀正しかった、将棋では重要なことなんです』『だけれど、棋士をめざすのは並大抵ではない。彼の選択は正しかったと思います』など。
すばらしいバースデープレゼントとなった電話でした。
そのあとは、フレンチのランチが夫によって予約されているという、どうしちゃったの?の展開。スズキのムニエル絶品。
ひとりで映画を見に行く予定が、時間がある一緒に行くということでシネマイーラで『僕たちの家族』を見る。映画代はなぜか2人分を私が。フレンチ予約で全エネルギー使って気が回らなかったのね。
映画、とってもよかったです。朝の電話のあとだからなおさら、そういう内容でした。
そして夫はまた仕事に行き、私は制作の続き。
夕方、ポッポと佐鳴湖を歩き、夜、メールやFBメッセージやラインやFBタイムラインでのたくさんのおめでとうにお礼。ほんとにほんとに嬉しいです。
とてもよい一日でした。明日からまた、まずは目の前にあることからしっかりとやっていこうと思います。
新しい一年が始まります。