7月9日
浜松からいわきに向かう道中、青山のトキアートスペースに寄る。
友人の中西晴世さんの個展開催中なのです。
中西さんとは、シンガポールのアーティストブック展でご一緒しシンガポールを旅した間柄です。
画廊主のトキさんも中西さんも不在でしたが、ゆっくり作品を見れました。誠実な仕事ぶりにあたまが下がります。過去のファイルもゆっくり拝見。
モノプリントという技法、私も昔好きでよくやりました。プリントということばが入っているけれど、マインドとしてはタブロー制作もしくは濃いドローイングだと思います。一度限りの偶然から必然を引きだす行為の中に中西さんの力強さを感じました。
中西さんには会えませんでしたが、新作に会えました。それで十分というかあるいはそれこそが理想なのかもしれません。
銀座線で上野に向かい常磐線。
時間があったので、特急でなく在来線でいわきに向かいました。ゆっくり景色を見たかったのです。
常磐線の各駅停車、初めてかもと思いましたが、学生時代、大甕まで就活に行ったことを突然思い出したりして。
北関東の風景。
牛久近くで霞ヶ浦が見えました。
水戸を過ぎるとやがて列車は海沿いを走ります。
左に関東平野、右には太平洋。
いわき市に入り雑草の生い繁る森のような場所を通った時、心臓がドキドキしました。
こうした草むらの除染作業は何年たってもどこまでもどこまでもきりがないのではないかと。
遠くから来たからこそ私はここで心拍数があがる。福島県に来たことに私のからだが反応しました。
ゆっくりと静かに訪れたいわき。特急にしなくてよかったです。
ひとり晩ごはんは地元の洋食屋さんで。
明日、豊間に行くというと、仕事ですか?あそこはもう何もないですよ、と低いことばが帰ってきました。