8月23日
JR大糸線信濃大町に着いて最初に向かったのは、ギャラリーいーずらで開催中の、はまなかあいづ文化連携プロジェクト成果展、アートで伝える考える福島の今未来展。
7月にいわき豊間小学校でさせていただいたくじ引きドローイングワークショップも、このはまなかあいづ文化連携プロジェクトの企画なので、年明けに静岡と浜松で開かれる同展の下見も兼ねて、出かけてきたという訳です。
岡部昌生さんのフロッタージュ作品は力がありました。
津波の痕跡や、原発事故後の強制避難区域の樹木などのフロッタージュ。
福島祝いの膳プロジェクトは、福島の自然と食に向き合った作品。福島の伝統食がコレクションされていて興味深い。
鬼婆伝説を素材にした舞踊映像は、舞踊の舞台が津波の被害そのままの姿をとどめる小学校で。壮絶でした。
はまなかあいづ文化連携プロジェクトのことはたくさん知って来たつもりでしたが、実際の展示を見るとリアリテイが違う、当たり前のことですが、足を運んでこその収穫がここでもありました。
それから、駅前レンタカーで借りた黒のアクアで、木崎湖へ。ひとりのドライブ、とてもとても快適。信州の風景が広がります。
木崎湖では、原始感覚美術祭2015が開かれており、参加アーティストの平川渚さんと西丸震也記念館で待ち合わせ。月曜日しか食べられない美味しいランチをご一緒しました。
その記念館で、写真家の本郷毅史さんと再会。彼には昨年いわきで会ったのですが、信濃大町在住で浜松出身、21歳の時、自転車で、喜望峰から自宅に帰るという旅を敢行、3年半かけて45000キロを走りながら、世界を旅して来たというものすごい人、現在は、水源の写真や映像を撮っていらっしゃいます。
ちょうど浜松からご両親もみえていて、日帰りで浜松から来た私が旅先で浜松の人に会って浜松の話をするめぐり合わせ。浜松医科大学の先生ということなので、知り合いがいるかもとも思いました。世間は狭いです。
平川さんの作品のある、まれびとの家に行きました。
平川さんは、最近はずっと、滞在型の制作を続けていて、今回も、木崎湖畔に2週間滞在してのインスタレーション作品。これまでは、毛糸や漁師さんの使う網の糸などでしたが、今回は釣り糸で制作されていました。
釣り糸の透明感質感、重みのなさなどが、これまでにない繊細さと浮遊感を生み出していて、作品タイトルのアワイの意味と繋がってとても美しかった。
平川さんと作品の前、畳の上で作品の話をしてよい時間が流れました。
平川さんの案内で本郷さんの作品を見ます。
水源って本当に美しい。
水が湧き出てくるところはずっとみていられる。
水源をめざすことになった自分を語る本郷さんのテキストも素晴らしかったです。
再び大町に戻り、リノプロで、もう一つの福島の成果展と本郷さんの写真と映像。こちらは福島の水源がテーマでした、美しい。
合流した福島県立博物館の学芸員おふたりと成果展の静岡での展開(2016年1月)について話したり、など。
日帰り信濃大町でひとりレンタカーの旅、早朝に出て深夜の帰宅、やれるものですね。とても濃い一日でした。