曾宮一念と山本丘人展に4回も足を運びました。浜松市美術館
H商業高校の今年の美術館実地見学実習がちょうどこの展覧会の会期で、4集団をそれぞれ引率したのでした。
どんな展覧会でもいい、とにかく美術館に行った!という経験をしてもらおう、そんな思いでこの企画をし、管理職に話を付け、毎年生徒たちと出かけています。
したがって、展覧会の内容は二の次で、授業進度と授業曜日の関係で見る展覧会が決まって行くこの授業です。
だから多くは期待していなかったのです。
風景画の画伯のおふたり、古い具象のひとたち、という認識でした。
でも、あにはからんや、期待以上の作品でした。
曾宮一念の風景。なぜあそこで筆を止め完成としたのか。あのデフォルメはどうやってたどりついたのか。夕焼けを一生描き続けるとはいったいどういうことか。黴びた向日葵に美があったとはどういうことか。
山本丘人の変遷。結局は若き日の美人画に戻ったのか、いや一周したのではない、スパイラルだったのだ、位相としてはZ軸があがっているのだということか。若い日の鉛筆での大下絵が私は好きだと思った。そして深い森の中をえがいだモノクロームの木々の描写。
などです。
10代の子らと一緒に感動できました。
すごくよかった、と言葉少なの生徒たちでした。
二人の画家の長命は、そうか私にもまだだいぶ時間があるのだ、がんばろうという気持ちにさせてもくれました。
授業でなければ招待券があっても行かなかった展覧会でした。行ってよかったと思いました。