12月10日
木曜日はギャラリーはお休み。
でも、実家のことでいろいろ手伝うことがあって藤枝に行きました。
それで、写真の寺田さん(彼は藤枝在)にコメダで会って画像を見せていただきました。
素晴らしい撮影。
午前中から午後早めの時間帯の光と作品美しかったです。
寺田さんとひとしきり話しました。
乾さんはモダニズムではないね、ポストモダンでもない。この、おさまらないとりとめの無さはモダニズムではない。
つまり新しいねと褒められたのです。
以前、美術の格付けをしているアーティストの人に古い世界の作品のように決めつけられたことがあったので、私の作品の時代性ってどうなのかなと思っていたので嬉しかった。
というか、その決め付けの頃から作品が変化したとも言えるのでしょう。
結婚して子育てもちゃんとやって芸術を生み出すこと、そういうことやって来たから、男性社会が作ったモダニズムとはちがうんだというふうにも。
子育てと表現をセットにしない努力をずっとしてきたのでそれを認めてもらえたことは思いがけない驚きがありました。
子育て期間中作品発表していないことについて、ある著名な女性アーティストに、この期間は子育てしてましたなんて絶対言っちゃダメよと言われたりしていました。そういうことを言ったら作家としての格が下がるわよと。
でも今はその価値観は変化している。
論理の乖離があるかもしれませんが、これもまた311以後の社会の価値観の変化のひとつなのかもしれません。
私は311以後の社会においてどこまでリアリティをもって生きているのか、その問いかけはいつもあったけれど、自分の作品においてそれを認めてもらえたことはとてもよかったと思いました。
その他話したことは、写真家寺田さんがどんなふうに世の中を見ているのかということのエピソード。
映画を観たり、小説を読んだりしたあと、現実世界を見ると、ああ世界は美しいと思うのだそうです。
虚構の世界より現実が美しい、だから写真を撮っているのだと。
論理ではなく直感で生きている人なのだとまた今日も思ったことでした。
そしてまたぞろ、自分がいかに人に恵まれているかの実感を重ねました。
今回の展覧会記録の画像、寺田さんに撮っていただけたこと、よかったと心より。