読書の覚え書きとして書いておこうと思います。
『子どもの貧困』 阿部 彩 岩波新書
『子どもの貧困連鎖』保坂 渉 池谷孝司 新潮文庫
一日に学校の給食一回しか食べていない子どもたちがこの国に少なくない数存在することを知り、そしてここ浜松でも子どもの貧困の問題は深刻だと伝えてくれた人がいて、読んでみようと思った二冊。
子どもの貧困が今に始まった問題ではないことがよくわかりました。自分の無知を思い知りました。
もうひとつ、日本では、子どもが最低限これだけは享受すべきであるという生活の期待値が低いという事実なども調査結果の数値をあげて例証してあって考えさせられました。たとえば、『朝ごはん』は日本人の90%が希望する全ての子どもに与えられるべきだと答えているけれど『おもちゃ』については、12.4%となる。これがイギリスでは、84%の大人が子どもにとっておもちゃは絶対必要と答えている。お古でない洋服や自転車、新しい靴といった項目になるともっとその差が歴然とし、日本の大人たちの大半が絶対必要ではない、与えられなくても仕方が無いと考えている、など。
『魔法的』小沢健二
オザケンライブの物販で購入。
小沢健二の反グローバリズム小説『うさぎ!』は、『子どもと昔話』連載当初は読んでいましたが、購読をやめてから途切れていました。続きが読めてよかったです。面白かったです。
『ニッポン戦後サブカルチャー史』宮澤章夫
Eテレで放送していたものの書籍化、膨大な年表資料もついている。
宮澤氏とはほぼ同世代なので、彼が読み解く70年代80年代の文化は、まさに自分の青春のリアルと重なって本当に興味深く読みました。
『不思議、大好き』な『おいしい生活』で『食う寝る遊ぶ』と言っていた80年代、確かに。
90年代の浮遊感、2000年代の閉塞感が突然やって来た訳でもなく、サブカルチャーが語る戦後史と言うものが確実にあり、その時代の中で聴いた音楽、見た映画、演劇、読んだ小説があった、と宮澤氏が語るさまざまな文化ひとつひとつにたくさんのことを思いました。