豊橋市美術博物館で山下清展をみました。
『はだかの大将』のイメージが強烈すぎて、オリジナルを見るということを自分からすすんでしようとしなかった山下清でしたが、行って見ると、圧倒的でした。
一枚の紙片のサイズが5ミリに満たないような緻密な制作
貼り絵の根拠。
なぜ貼り絵なのか。
それがよくわかった展覧会でした。
そして、ランニングシャツに半ズボンに麦わら帽の放浪の画家というイメージは作られたものだったということも。
放浪はしていたが、スケッチはしておらず、すべて帰ってからの制作という。
そのおそるべき記憶力は、彼が健常者であったら持つことはできなかったでしょう。
神様はそうしたひとにこんなに素晴らしい特別な才能を授けたんだと思いました。
月並みな表現にしかなりませんが、表現することと生きることがこれほどまでに直結していたからこそ人のこころを打ったのだろうと理解できました。
エイブルアートの原点のようなひとでしたが、その掛け値がなくとも到達した貼り絵の芸術性はあったと思いました。