あいかわらず岩波少年文庫を読んでいます。
昌子さんに『今わたしこの本を読んでいるの』と、ウィリアムモリスの装丁のメアリー・ポピンズを見せたら、『今は、(あなたは)その世界にいるんですね』と言われ、とても嬉しくなりました。
メアリー・ポピンズは東風に乗ってやって来て西風に乗って去って行きましたが、彼女の世界にいるんですねといってもらえただけで、私も風に乗れた気分でした。
私も動物と会話できたりいろんなことをあべこべにして楽しんだりできそうな気分でした。
そしてこの本には、なんと栞代わりにしていたらしい展覧会の半券がはさんであって、それは2007年の和歌山県立美術館での『森のなかへ』展でした。
10年前の私も、メアリー・ポピンズに会っていたのです!!
忘れていました。
メアリー・ポピンズは粋なことをするものです。
『森のなかへ』展へは、栗田宏一さんの、土の作品が見たくて出かけ、そういえば帰りに熊野古道を歩いて来ました。
私は、メアリー・ポピンズを携えて和歌山に行ったのか、和歌山に行ったあと、半券をはさんだのか、それはもうわからないけれど、この展覧会の記憶とメアリー・ポピンズが10年間一緒だったことは嬉しいことです。
というわけで、私は、まだふわふわ少女の時空を漂っていて、メアリー・ポピンズの次に手に取ったのは、ルーマー・ゴッテンの『人形の家』です。
この、ゴッテンの世界に住むのも、とてもいいです、いい気持ちです。