2月×日
直行便で行きたいマサコさんの希望で、私たちは成田発JAL4便でNYに向かいました。
成田までは中部発の国内線にJALがタダで乗せてくれるという不思議なシステム。
JAL国際線は初めてかもしれません。
それにしても成田空港ってこんなにサビシイ感じだったっけ?というのが久しぶりに利用して思ったこと。このしょぼさではアジアのハブ空港になれなかったのも納得だけれど、それではあの三里塚闘争って何だったんだろうなど思ってもみる。
ほか、23才の春、バックパックでヨーロッパの美術館をめぐるべく初めて国際線に乗った記憶が急によみがえったり。あの時はキャセイ航空ロンドン往復のオープンチケットでした。ひとりで二ヶ月近くよくも放浪しましたねわたし、など。
NYまでの機内の13時間は本を二冊kindleで読んだり、眠ったり。kindleは、暗くても読書灯をつけなくても読めて便利です。軽いしね。
千住明『ニューヨーク美術案内』
MOMAやメトロポリタン、チェルシーのギャラリーのことなどが書かれていたように記憶しますが、実はこれを書いている現在は、それらのアートシーンを自力で回ったあとなので、自分がどう見たかばかりが残っていて千住さんの案内文はあまり残っていません。でも丁寧な説明があって助かったのだと思います。
堀田哲『ニューヨークで暮らすということ』
大学の先生が半年だったか一年だったか、教える人としてNYで暮らした経験談。
ミドルクラスの暮らしぶりとか、NYの物価、階級によって棲み分けがはっきりしていることなどわかりやすい本でした。
ほかには、事前学習で
美術手帖「村上隆企画 ニューヨークアートシーン最前線」という特集本を急ぎ密林から取り寄せてぎりぎり前日に読み終えて行きました。
NYの最前線シーンで活躍している人についての紹介。面白かったのは、全員がマルチプレーヤーで、この道一筋!みたいな根性論の人がいなかったことです。
ところで機内での私たちの席は最後方だったのですが、途中からひとり具合の悪い方がCAの方々の詰め所みたいなところに寝かされて介抱されているのがみえました。
やがて機内アナウンス。
『お客様の中で医師もしくは看護士の方はいらっしゃいませんか?』
やがて前方からアメリカ人医師とおぼしき男性がふたりやってきて、CAさんたちと様々な処置、ものものしい雰囲気。
大丈夫だろうか?そしてこんなドラマのようなことが本当にあるんだ、お医者様乗っててよかったCA全員日本語が話せてよかったねJALでよかったねと他人事ながら思いました。
ケネディ空港着陸少し前に、救急車を要請しています。先に急病人を降ろしますと言うアナウンス。
救急車に乗れたらもう安心、と、やっとドキドキはおさまって、無事にNYに到着しました。