2月×日
メトロポリタンミュージアム
二度目のニューヨークですが初めて訪れました。
前回行かなかったのは、同行の若者たちが、美術館よりもソーホー、チェルシー、ブルックリンのアートシーンを見よう、新しいファッションや音楽に触れよう!と言っていたからでしたが、帰国してみると、え、メトロポリタンミュージアムに行かなかったの?!!とたくさんの人に驚かれたので今回は行こうと決めて いました。
でも、古代への情熱を持って遺跡を尋ねたシュリーマンはヨーロッパの人だし、賛否はともかく大英博物館もルーブル もギリシャローマの古代遺跡から直接持って来たし、中世以降にしたってヨーロッパの画家たちの作品という根拠があります。それがこの若い国アメリカにはないのにエジプト美術から近代まで の全てが圧倒的に揃っている美術館って無理があるのでは、という思いが少しありました。
ガイドブックによると、アメリカ建国を記念して我が国にもヨーロッパと肩を並べる立派な美術館をというコンセプトでまずは箱が作られ、しかし収蔵品はゼロであり、ロックフェラーなどの財閥が中身を揃えたということです。なんかアメリカっぽい。
でもそこはさすがロックフェラー、いいものだけを揃えた感があります。
本当にすごい内容でした。歴史の重みはあればこそ名宝がずらり。
たとえば日本の 美術のところに行くと、幾つもの素晴らしい仏像たちが出迎えてくれます。
なぜこの仏像たちが日本にいなくてここにいるのかと思うと明治維新の廃仏毀釈とそれに伴うドサクサの過ちを思ってしまいますが、同時にここに来たからこそこんなに大切にされているねとも。
絵画では雪村の猿猴図が見れました。
尾形光琳の燕子花図の橋の作品を見たいと思ったけれど展示はされていませんでした。残念!
でも、浦上玉堂に会えました。
ヨーロッパ絵画も充実していて、レンブラント、クラナハ、メムリンク、エルグレコ、、
近代ではモネ、スーラ、ゴッホ、セザンヌ、ルノワール、ピカソ、マチスと本当にすごい。
日本の美術館の特別展で見たときとも、ヨーロッパの美術館で見た時とも、どこか、違って見えたメトロポリタンミュージアム、矢野顕子の歌が頭の中でずっとヘビロテでもあり、それでカニグスバークを読みたくなったという楽しい美術館体験でした。