東京都写真美術館で開催中のダヤニート・シンを見ました。
インドの女性写真家。はじめは報道写真家だったが、やがて表現としての写真を撮るようになった。
被写体は、性的マイノリティーの人たちほか。
見終わると、最近の私が考えているさまざまなこと、さまざまな問いに対して彼女が答えている!と感じる共感が訪れました。
アジア人の女性であること。
それだけですでに、美術のメインストリームからは離れてゆく。
そして彼女が選んだ被写体が、さらにその離れて行く感じを強めて行く。
そしてさらに、美術館という制度を問い直す展示方法。
美しい家具や、特注のトランクや、屏風おりの手製本などに作品を内包させ、携帯可能な『美術館』という名の展示フォーマットを用いて作品を見せる。
しかも、その展示写真の位置は日々変化してゆく。
隣り合う作品によって干渉され作品自体も変化してゆくと感じる。
救心の反対に位置する周縁性。
これこそが、私がやろうとしてきたことだと思った。
それを、きわめて美しく、多面的に見せている。
こんな展示をわたしもしたいと強く思いました。