世界はふくらんでいる
世界はやわらかく広がっている
世界は光に溢れている
肯定することがドローイングである
世界を覆う表皮にドローイングする
ステッチはドローイングの時間をゆっくりとコマ送りする
そのゆっくりの時間の中で裏とおもてを行ったり来たりする
人の手の営みのリアルは裏側にあった
見せるリアルは表にあって
裏とおもてを行ったり来たり
そちらとこちらを行ったり来たり
こことどこかを行ったり来たり
日本とどこかを行ったり来たり
ハハとアーティストを行ったり来たり
たくさんの行ったり来たりのリアル
中心を持たずにふくらみながら
。。。。。。
こんな、詩のようなコンセプト文を書きました。
STAY IN REALITY の私のリアルをどう伝えるのか何を見せるのかずっと考えていました。
毎朝のドローイングこそが日々の私のリアルであり、そのあり方や感じ方は上に記したようなものです。
私のあり方がモダニズムであるのかないのか、時代とどう向き合えてるのか、それが最大の関心事でもありました。
大作を見せて中心性を持たせるのではなく、来場者を包み込むような展示、それが、私は今こんな風に世界を感じているということを伝えるものになると考えました。
ボタニカの、有機的で閉じた空間もそのこととシンクロしました。
作品はおよそ200点。
BBケント紙への色鉛筆のドローイング、キャンバスへのドローイングはミクストメディア、二重ガーゼや晒し布へのステッチドローイング、ユポ紙への水性クレヨンのドローイング、ワトソン紙へのドローイングなど。
さまざまな種類のドローイングの配置には時間がかかりましたが、二点どめのピンナップで、何気なくふわっとそこにあるように感じてもらいたいと思いました。


作品はおよそ200点。




二重ガーゼへのステッチドローイング。裏側ですがこちらに私の手のリアルがあると強く思いました。

ユポ紙の全判に、水性色鉛筆で意味のないドローイングを行い水をかけ自然な乾燥にまかせ、乾いたらまた意味のないドローイングを行い同じことをする。乾くたびに日付を入れ、裏も表もなく水で縮むこともなみうつこともない無機的なユポ紙の裏と表の両方に同じ行為をずっと続けてできた作品です。
裏と表の行き来の間にリアルがあるというコンセプト。軽〜いユポ紙はふわふわしています。