原風景展無事に終了いたしました。
お運びくださった皆様、気にかけてくださった皆様、ありがとうございました。
私の叙事詩 2015.2016年 オイルバー 襖紙 90cm✖️3000cm
2015年のエマギャラリーで途中まで描いたものを発表し、続きを描いて2016年にギャラリーSUNで発表した作品でした。二回とも壁に回して展示したのですが、今回は床に置きました。30メートルは広げられずに約10メートルの展示でしたが、高い上から見下ろす視点は初めてで違う作品に見えました。
旧作を出すことへのエクスキューズは年々減っていきます。それは自分にとって良いことでもあり残念なことでもありますが、作品を自分のものでなくしていく何回かのプロセスなのかという風にも思いました。
私の手の中のものから離れれば離れるほど良いと思えたのは、この展示ができたからだと思います。
何を描いているんですか?と今回も聞かれました。何と言われても自分でもわかりませんがモノというよりはコトを描いている感じです、と今回も答えました。
その時のコトを描いたんだと思います。今はもうその時ではないので、同じものは描けません。私のからだを通して何かが表現されて、それが誰かに共感してもらえたとしたら、おそらくもうそれで良いのでしょう。
写真家の土田ヒロミさんが来てくださって、動画で撮ったらどうですかと助言をくださいました。
その場でさっとスマホで撮影して、ほらこんな風にと。
土田さんの進むエネルギーはすごいとそのことに感動してしまいましたが、お帰りになったあと自分で撮ってみたら面白かったので、助言に従い30メートル全部を広げて撮ってみようと思います。
搬出の時にやればよかったと多少悔やんでいます。
ロールの襖紙は新しく買ったし、オイルバーも世界堂からたくさん届いたので、新しい叙事詩を描きたいと思います。
私の手や私の目や私のからだ全体が喜ぶようなそういうドローイングを描きたいと思います。