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絵本作家のかこさとしさんが亡くなられました。
子どもたちと一緒に楽しんだかこさとしさんの絵本が我が家には沢山あります。 『だるまちゃんとてんぐちゃん』 よく読みました。だるまちゃんの要求にどこまでも過剰に答える親バカなお父さん。しかも『おおまちがいのとんちんかん』な答え方。 登場人物の仕草から想像する文化は私の子供時代のもの。少しも新しさはないのに古臭くなくて何度読んでも子供たちは楽しんでくれました。 だるまちゃんの絵をベニヤに描いて糸のこぎりで切ってジグソーパズルを作って息子たちにプレゼントしたことさえあります。あのパズル、どこに行ったのかなあ。 『だるまちゃんとうさぎちゃん』 『だるまちゃんとだいこくちゃん』 これらはレアです。かこさんは何でもかんでもシリーズにしてしまいます。 『マトリョーシカちゃん』 これは激レアだと思います。そして実は私はかこさんの本の中でこの福音館のペーパーバック絵本こどものとも年中向きマトリョーシカちゃんがかなり好きです。 持っている人、相当少ないはずです。たからものです。 かこさんの絵本の中で一番有名なのは『からすのパン屋さん』だと思いますが、我が家のそれもボロボロになっています。 あの、いろんなパンが見開きでカタログのように描かれているページとても楽しく、指差ししてはあのパンこのパンとお話ししたものです。 からすのパン屋さんの、いずみがもりはからすのまちでした、から始まるお話はだいたい諳んじています。 おもちちゃんれもんちゃんりんごちゃんちょこちゃんという、生まれたカラスの赤ちゃんの名前のくだりを読むと、こどもたちが『おもちちゃんれもんちゃんりんごちゃんちょこちゃん』と復唱してくれたりして幸せな時間でした。 昨年秋の長男の披露宴、息子から母へのプレゼントというクライマックスの場面で、私がもらったのは花束ではなくて、このからすのパンやさんでした。そんなにも思い出深かったんですねと思いました。 (マリーホールエッツやマックロスキーなど世界的名著絵本だってたくさん読んできたのに彼のベストワンはかこさとしだったんだと) 絵は上手くないし、物語の展開だってドラマチックでもない、昔話の文法や様式を踏襲しているというスタイル美もないかこさとしの絵本世界なのになぜでしょう。 不思議でもあり同時にわかる気もします。 それはやはり彼の持つ世界観によるのでしょう。 自然を愛し科学を信じ、人間を愛していた、そんなふうに感じます。描線は言い切り型ではない優しさがあって着彩は柔らかでした。 それからどの作品にも生活を大切にする言葉遣いがありました。 東大工学部卒で大正十五年生まれ、工学博士という経歴は夫のお父さんによく似ているので、一度お義父さんとかこさとしの話をしたことがあります。 そういう人がいるんですね。僕にはそういう才能はないなあ。というのが、義父の答えだったと記憶します。 大正末期に生まれた男性の、旧制の学制での進路の花道は、陸軍士官学校か海軍兵学校で、立派な軍人になるのが男子の憧れであり、優秀であればあるほど周囲も親もそれを期待した、と義父に聞いたことがあります。 義父が陸士海兵に進まなかったのは、小柄で左利きの自分は軍人に向いていないと思ったのと、今だから言いますけどと前置きしながら、やはり戦争に行きたくなかったからだということでした。旧制高校から大学への進路が工学部であったのも、文系に行くと徴兵されるかもしれない、医学部に行くと軍医にならされるかもしれない、からだったそうです。 同じ年ごろのかこさとしさんも、義父同様、積極的に反戦とは思わないまでも、なるべく戦争行きたくないなの思いでこの経歴なのかなぁと、義父の話を聞いた時思ったことでした。 もちろん、わだつみの声を聞くまでもなく、当時の若き日本男子全員が軍国青年であったはずもなく免れた義父やかこさんは恵まれていたのだと思いますが。 夫との結婚を決めたころの若い日に、お父さんはどんな方?と聞いた私に彼は うーん、オールドリベラリストって感じかなあと答えたのをよく覚えています。 オールドリベラリストという、今では死語となったその言葉、かこさとしさんに冠してもまたよく似合うもののように思ったりしたのは、ちょうど、かこさとしさんの訃報にふれたのと、義父の七回忌で義父のことを回想する時間を持ったのとが時期的に重なったからかもしれませんが。 ともあれ、ボロボロとぴかぴか、2冊になった私の『からすのパンやさん』、大切にしたいと思います。
by hisakoinui
| 2018-05-20 21:01
| こども
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