どうしても行きたかった鴻池朋子の大規模個展、ハンターギャザラーに行くことができました。
秋田県横手市にある県立近代美術館。秋田新幹線こまちで大曲まで。そこから奥羽本線で横手。
横手駅から美術館に行くバスは一時間に一本だったのでタクシーに乗りました。近代美術館はふるさと村という広い敷地の中に。
311後の社会における表現者としての自己というものにこんなにも強く真摯に向き合っている。
掏り取ることよりも刻む行為にフォーカスするということ。
複製を作ることに意味はないと言い切っている。
小さいものや柔らかいものに描いたり、細かい刺繍をしたりする営み。
『女性的』という表現で説明すると異なる解釈が発生してしまうけれど、私たち女性の多くが男性より優位に持っているある種の感覚があると思う。
撮影が許可されていなかったので画像を上げることができませんが、最後の部屋には土地の女性たちのものがたりを手芸で作るテーブルランナーの作品が一堂に並べられ圧巻でした。
個人の中だけにある私的な物語。何十年も前のお嫁入りの日のこととか家族とのこととか、無数の、名もなき人たちのお話。それを画家が聞きがきで下絵を作り、その絵を元に女性たちがパッチワークや刺繍などでテーブルランナーを作るのです。
一人一人の物語を読み、できた作品を見て、としていたら一時間はあっという間でした。
秋田で見たからこその鴻池朋子であったと思いました。