3月22日
くじドロキャラバンin高知 3日目
ホテルに迎えていただいて高知ハーモニーホスピタルデイケアへ。
おもに精神障害のある方々の通所施設です。
ワークショップ参加は6人の方々。
今日のくじドロ主催者は藁工ミュージアムです。
会場の様子やご本人の画像はあげられませんが、どの方もくじドロを楽しんでくださいました。
会場にセッティングした、前日、前々日、そして新城市立庭野小学校の子どもたちの作品をまずは楽しそうにみてくださいました。
そしていよいよくじドロ開始。
どの方も嬉しそう〜にくじをひいてくださる。
この作品を描いてくださった60代くらいの女性は、とっても明るい方でした。
自転車に乗るのが一番好き。田んぼの道を風をきって走るのが好き、と話してくれました。
3回もくじをひいてくれて、3度目に出たくじで描いた作品はこちら。
かわうそパイってなんやろね、なんやろねと笑顔をふりまき、かわうそがパイを食べてるところ、だそうです。しんじょう君みたいやとまわりの人に言われてそれも嬉しそうでした。しんじょう君とはご当地イメージキャラクターです。
やはり年配の女性の作品。
精神障害の方が、この言葉をひいてしまった、と内心青ざめました。
最初は、えー地獄やて、と言っていたその方は、地獄から天国を眺める図を描いてくれました。そして、残した言葉、見せていただきました。「天国」でした。
同じ方の「地獄」の次に出た言葉は、「空からふってきた!」でした。天国からふってきたねと思いました。桜の花びらふる景色だそうです。座っているのはキツネさん。
くるみさんとおっしゃる年配女性。
綺麗な川が流れていて、田んぼと畑があって耕運機がある、そんな風景が好きと話してくれました。作品が須崎で展示されると知ってとても嬉しそうでした。
また別の女性。
この言葉は間違いなく昨日の須崎で残された言葉。
40分以上かけて、それはそれは丁寧に描いていました。
水たまりの表現にまでこまやかな心配りが見受けられて絵が好きな方と思いました、本当に楽しそうでした。一度 のくじでもう十分とおっしゃいました。
唯一の男性参加者、Bさんのひいた言葉は「?」でした。
言葉を発せず、ずっと考えていました。職員さんがあの手この手のフォローをしてくださいましたが、紙はしばらくの間、白いままでした。
そして、ようやく描き始め、完成したのがこの作品です。
奥さまと二人でいるところ、なのだそうです。
この幸福な風景がなぜ「?」というタイトルなのでしょう。というか、? のタイトルになぜこの絵なのでしょう。
私はとても心配になりましたが、職員さんが、彼は奥さまが大好きと伝えてくれました。
障害のある方、認知症の高齢者など、社会の周縁におかれている方たちとのくじドロは、初めてではありませんが、精神障害の方がメインというのは今回が初めてでした。
参加の方々は、言葉が理解できて絵を描くことも字を書くこともできる方たちなので障害の程度としては重くはない方々だったと思いますが、健常の人たちよりも、言葉に対してものすごく繊細というか真面目で真剣な受け取り方をしていたように感じました。
そして、絵を描くことで、ぱあっと明るくなってくれたようにも感じました。
壁に貼り出して作品を、自分のものも知り合いのものも、それはそれは丁寧にしっかりと嬉しそうにみてくれました。
社会の役に立つ、という考え方は、あるいは尊大な視点なのかもしれません。
くじドロが、マイノリティ、マージナルといった言葉でくくられてしまう場所にいる方々とともにあるかたち、というもの、また実現できたらいいなぁと思いました、