最近見た展覧会より
金座ボタニカ/静岡 中安モモ展 ピンクは血の色3
一見ナンセンスな造形物群。でもこのシリーズを何年も何体も作っている行為はナンセンスではない。
造形物も不気味では全くない。アートと工作の間でゆれる。私もやりたくなった。
ギャラリーsensenci/静岡 家入瑞穂彫刻展
23歳の家入さんは、筑波大の大学院一年生から二年生になるところで、9月からイタリア留学が決まっています。
彼女が静岡大4年の時、実家は広島なのに教育実習が浜松の中学校になってしまい、二週間、私の、アトリエにしている方の家に住んでもらったご縁で親しくなりました。
家入さんの、自分のからだの一部を拡大して作っている作品もよかったけれど、23歳の彼女を見ていて23歳だった自分を思い出しました。
23歳の春、私も家入さんと同じ大学院の一年生で、3月から4月、バックパックで、ひとりでヨーロッパ中の美術館をまわり、クレー研究のためにスイス、ベルンのクレー財団に通ったり、ウィーンにいた研究室の先生を訪ねたり、しました。
その時のことが今日はなんだかとても鮮やかに蘇りました。
23歳の家入さんがまぶしかったけれど、私ももう一度23歳になろうと思えばなれるかもしれないとも思いました。もちろん、精神的に、です。
23歳の時のように、なんでも見たい、なんでもやりたい、なんでも知りたい、そして、なんでも見れるしやれるし知ることができる、今からだってと思わせてくれた家入さんでした。
実はこの頃ずっとそのことを思っていたので、家入さんによってその気持ちが確かめられたということかもしれません。
世間的には定年を迎えるような年齢になっているのですが、だからこそ、あらゆることから解放されていて、気がつくとなんだか広々と自由なのです。不思議な感覚です。じゃあいっそ社会人の始まりの頃に戻ってこれから十年間、経験もプライドも知識も全部忘れて夢中になって何かをやってみたいなあと思っていたのです。
頼まれてもいないのにムキになってやる、子どもみたいに。
そんな楽しい時間を重ねていきたいです。
そしてもちろん、ホンモノの23歳の家入さんに心からのエールを送りたいです!!!