9年目の3月11日
今日のことを書いておこうと思います。
水曜日ですが、高校の授業がもうないので出勤がありませんでした。誰にも会わずに1日が過ぎました。
朝目覚めて洗濯機を回しアトリエに行きゴミ出ししてから絵をかきました。
F4サイズの厚めの紙に0.3ミリのボールペンでカリカリとドローイング。朝のこの時間にしか描けないものがいつもあります。
帰宅して朝ごはん。夫を送り出して朝ドラ、少しの家事、そしてまたアトリエ。
制作しながらサカナクション山口一郎のラジオ番組を聞き逃しで聞くとジャニスジョップリンの特集。知らなかったライブ音源が流れて切なく聴き、続けてほかの番組をチェックすると、飯舘村の今を取材している番組がありました。
あの長泥地区のゲート前からの音声から始まっていました。帰還した村民たちの今を伝える内容。奪われた日常は決して戻らないことが改めてわかる。
事故後私は3回も飯舘村を訪ねる機会をいただきましたが、今の彼らにどれだけ共感できているのだろう。全く自信が持てません。
福島の人たちみんなが言うこと、それは『忘れないでいてほしい』、ということ。
それだけはと思いますし、それだけしかできないなあとも思います。
ラジオのことをFacebookでシェアして、また少し制作。
このとめどないドローイングに意味はあるのだろうか。
そのぐるぐるにまた陥ってしまいました。
それから、最近いただいた短歌集の作者長谷部静子さんにペリカンの万年筆で手紙を書きました。
90歳になられる静子さんの第二歌集が出たことを少し前ご子息の長谷部雅彦さんのSNSで知り希望しました。
代金はいらない母に感想を送ってほしいという孝行息子の長谷部さん。
日常を細やかな眼差しで活写する静子さんの短歌の数々。
奇しくも今日は9年目。震災の後、すべての人が思ったに違いないこと、毎日を大切に丁寧に生きようということ、そのことがそのまま短歌の作品になっているような歌集でした。
夕方に帰宅して少し湿らせてしまった洗濯物を取り込みました。
家族の健康考えて今日もご飯はきちんと作りました。
明日からは10年目が始まるのですね。