4月20日
犬の散歩以外どこにも出かけませんでした。
『コンチキ号漂流記』を読みました。
これを読むのはもう4回目です。
2回目と3回目は、三男の枕元で寝る前のお話の時間に読みました。
子どもたちのために何か特別なことがやれたわけではない、むしろいつも自分に忙しくて彼らに母親として十分なことができなかったという反省ばかりが多いのですが、この、寝る前の読み聞かせは、あの子たちと一緒に楽しんだ、私の貴重な子育ての思い出です。
お話の時間は、子供達が小学校高学年になっても続けていて、この『コンチキ号漂流記』は末っ子の三男が、6年生から中一にかけての頃に読んだ記憶があります。彼とは二回読みました。
枕元で何日もかけて一回めを読み終えたのですが、もう一度というリクエストがあって、ハイエルダールが幾多の困難の果てにようやくペルーからポリネシアにたどり着いたというのにまた、筏の船を作るためにジャングルでバルサの切り出しをするという、冒険物語の最初から読んだのでした。
4回目を読んで、三男が、もう一回といった気持ちが今更ながらよくわかりました。
自由に出かけられない身において、この、ノンフィクションの冒険物語のなんと魅力的なことか。
ちいさい人たちは、まだまだ自分の意志だけで広い世界に出かけることができません。だからこそ冒険物語に魅了された、そうしたこともよくわかります。
大人の目で読めば、これは冒険のための冒険ではなく、人類学の検証の実験であったことがわかり、科学者として研究に必要な勇気と持続力をハイエルダールは持っていて、その勇気を支えるために彼の準備が周到であったこともわかりました。
名著だと思いました、あらためて。