6月26日 金曜日
朝からドローイングを進め、午後には美術準備室でドライポイントの続きという胸算用の日でした。
早朝に携帯が鳴って、え?と思う。誰だろうこんなに朝早くと悪い予感が瞬時に頭を駆け巡る。母のこと?姉のこと?
でも、ああよかった、植木屋さんでした。
そういえば植木屋さんからの電話はいつも早朝だと思い出しながら会話する。
今日庭の手入れに行きますという。
結婚してこの家に住むようになってもう何十年も植木屋さんたちとつきあってきました。
事前にいつがいいでしょう?と聞かれることはなく、仮に今日は不在ですとなっても、いいですよやっときますで、となる。
職人さんが入っているのに一日中家を空けるのはやはりできなくて、お茶だしのため午前中はアトリエと家の往復、午後はずっとパソコンという日になりました。
庭は1日で綺麗にはならず、いつも二人の職人さんで2日半ぐらいかかります。
明日またきますではなく、また今度続きをやりますと言って帰って行きました。
ここ二、三年は毎年そんな感じです。
私たちが庭を大切に扱っていないからそういう展開になるのかなと今日は思いました。
彼らは大事にされている庭を大事にしたいのでしょう。
手入れを必要とする広い和風の庭を望んだのはこの家を建てた夫の父です。結局彼は長くはこの家には住まず、仕事に合わせて、生活に合わせて、次の家、次の次の家を建て、そこでもいくらか庭を作っていますがこの家の庭への思い入れが一番強いと私は思います。
この家に住み始めた新婚の頃は、職人さんは義父のことを大旦那さんと呼び、私のことは若奥さんでした。
その呼ばれ方が嫌いではなかったことを今日急に思い出しました。
庭を愛でる余裕を持てずに走っている自分を振り返る時間が今日は持てたのかもしれません