8月23日
乾久子 ことばのまわり
アートカゲヤマ@藤枝
終了いたしました。
お運びくださった皆様、気にかけてくださった方々、本当にありがとうございました。
芳名帳の記録は2週間で176名でした。書かれなかった方もいらっしゃるので、もう少しでしょうか。本当にたくさんの方に見ていただけました。
ステイホームでどこにも出かけない時間がずっと続いた後に生まれてきたものです。
紙を刻むような感覚で細かく緻密に描きました。感覚でさっと描いたものではない、という風に見えますが、筆致は早く次々と広げています。
私の中では新しい世界が広がった感じがしています。
SNSのコンテンツに”today's piece"というものを設け、時々アップロードしているのですがその一枚です。
やはりステイホーム時に描いたものですが、気持ち悪いものばかりが生まれていた中で綺麗にかけたものです。
評判が良くてすぐに嫁入り先が決まった良い子です。
いいね綺麗だね素敵だねと言ってもらえてさらに所有して飾ってもらえるのだからすごいことです。
でも、額に入れられなかった気持ち悪いドローイングたちの方が私らしい気が本当はしています。
それなので、その子達も見ていただく機会をやはり作りたいなと会期が終わった今は思っています。
そして何と言っても今回の個展のハイライトは、この作品集です。
この冊子をたくさんの人に手に取ってみていただくこと、所有していただくこと、そのことをとても大切にしました。
冊子を作るための作品の振り返りの時間、作品を選ぶこと、撮影の時間、編集やデザインの時間の中での他者とのやりとり、テキストを書いていただく、そうしたさまざまなものがあったうえでのこの個展でした。一人ではできなかったと思います。
作品集が多くの方に好評であったことは本当に嬉しいことでした。
港千尋さんのテキストとてもいいですねという反響も多かったです。
私自身、あのテキストで、描きたい気持ちがある限り描いていていいんだと思えとても嬉しかった、作品がテキストを頂く意味は大きいと思いました。
作品集はこれからは一人歩きしていくのでしょうか。そうであるといいなと思います。
この展覧会の地が藤枝であったことも、作品集とセットで考えるととてもよかったかなと振り返っています。
東京だったら、来てくださいと言いにくい、行きたい人も行きにくい、東京の人にとってもそうでない人にとっても。
でも遠くの人には作品集を送ります。
地方でも良いスペースでしっかり展示をして記録を残せば良いでしょう。
私を知る人たちにみていただくことはとても大切なことです。
活動拠点が静岡県にあるのだから、その拠点での発表は大事なことだと思います。
ところでこれまでは自分を知りたいのか自分を見せたいのか判然とせぬままに展覧会をしてしまう私ではありましたが、そのどちらでもない次のステージに行けるでしょうか。行ける予感がちょっとします。がんばりたいです。