9月8日 火曜日
2011年に制作した、震災直後一ヶ月の朝日新聞一面を鉛筆で塗りつぶした作品の撮影をしました。
もう10年近く経つ作品です。様々な場所で展示してきましたが、1点ずつの撮影をしてありませんでした。
2021年3月に再展示が出来そうなので、広報に使うかもしれないし、全部撮っておこうと思い、寺田さんにまたお願いしました。
バインダー式大型ファイルに入れて保管していましたが、出してみると作品が波打っていました。
平らにする、なみうちを最小限にする、その作業に時間がかかりましたが、なんとか31枚の撮影を終了。
ヘトヘトに疲れたのは、あの時の記事をもう一度反芻し続けたせいでしょう。
あのものすごいことからもうじき10年。
東芝は、廃炉には10年半かかると言っているという記事がありました。それを信じていた10年前だったとも言えます。
これまではおもての面しか見ていませんでしたが、裏には二面の記事があり、それもそれぞれの日にちごとに大きく重たいものでした。
この作品の意味は時間とともに変化する、今日もそのことを思いましたが、それとは別に、10年前の、この行為自体についてもさまざまなことを思いました。
まだ保管してある、一面だけでない2011年の新聞についても。
ところでこの作品にとどまらず、過去の作品を振り返る時間が増えているこの頃です。
それは自己模倣ということでは全くなくてむしろ今の自分、新しい自分を確認する作業であり、過去の仕事を今の視点で再評価する作業でもあるようです。
これは床に置いたもので寺田氏の撮影ではありませんが3月14日。
その二面