11月7日
足利個展 最終日1日前
さとう陽子さんとのギャラリートーク
足利のアートの関係者 東京からさとうさんの友人 私の友人などなど定員20人を超える22人の参加でした。
あまり具体的なことを決めずにさとうさんからの質問に私が答えていく形にしましょうというのが事前の打ち合わせでしたが、さとうさんはかなりしっかり質問を考えてきてくださっていました。どれも、さとうさんが私に聞きたいと思ったことだそうです。
初めの質問は、学歴とか、発表の履歴、その時の家族のことなどでした。ちょっと驚きました。
少し前に、東京芸大を卒業した人から、乾さんみたいに中途半端な学歴だったらいっそ中卒の方がかっこいいね、アーティストとしては。と言われたばかりでした。
私の母校は静岡大学と院は東京学芸大。ともに教員養成課程の学部です。
そのことについてまさかギャラリートークで話すことになるとは。
教員免許取得のための単位は取ったが、学部も院も美術史、特にクレーの研究をしていたこと。論文だけでは修了できない仕組みで50号の油絵も描いたがそれは研究対象だったクレーのような作品ではなくマチスのようなフォービズムだったこと。学部四年時に教員採用試験を受けて合格したが、そのまま地元の中学の美術の先生になる気になれなくて合格辞退をしたこと、それは遅ればせの親への反抗だったかも知れないなど、なぜ私はこうした個人的なことを話しているのかなと思いながら、さとうさんの直球に答えなければと正直に赤裸々に話しました。
その後の発表の経緯についての質問。なぜ、そしてどのようにして現代アートの世界に足を踏み入れたのか。個展デビューとなった名古屋1993年の時の家族構成。翌年に3男を授かったからその後の数年がまた空白なのだと初めて話しました。
それから、言葉の話。
8月の藤枝での個展で私が書いたコンセプト文、『ことばのまわり 』
それを、さとうさんは、しっかりとした語り口で朗読してくれました。
自分の文章を朗読されたのは初めてのことです。
書き言葉としてしっかり考えて何度も推敲して仕上げた文章でした。
さとうさんの声を聞きながら不思議な感動に襲われました。
自分の言葉が一人で歩いている、すごい、という感じでした。
そしてこうやって他者によって改めて反芻されることで私の言葉が新しく強く別の他者に伝わっていくと感じました。
およそ60分でトークは終わりました。
質疑の時間となり、次々と質問の手が上がって会場は盛り上がっていたかも知れません。
乾さんのルーティンを教えてくださいと言われました。
朝起きてすぐにアトリエに行くこと、そのことについて話しました。
その方は素材についても聞いてくれました。
今回展示のすべての作品について、素材の説明をすることができました。
なぜその素材を使っているのか、そのことはとても重要なことです。
私がトレペではなくユポ紙を使っているのは何故なのか。そのことも話せました。
今回のギャラリートーク、You Tubeへのアップロードができました。