フェルケール博物館 ギャラリーコーナーでの個展『乾久子 ことばのまわり〜港をあるく〜』、無事に終了いたしました。
博物館のコロナ対策で、通常は置いていただける芳名帳や作家資料が会場に置くことが出来ませんでした。
小さな会場での個展でしたのに、どなたにご覧いただいたのか、わからないままです。
この場からですが、お運びくださったみなさま本当にありがとうございました。
感染者数拡大で、移動自粛がふたたび叫ばれました。会場に来ることはしなかったものの気にかけてくださった方々にもお礼申し上げます。
ありがとうございました。
画像で展覧会を振り返ります。
フェルケール博物館入口
DMと実作との乖離を埋めるためのテキストでしたが、その役目は果たせたのか。テキストはテキストで褒められはしましたが、作品が風にたなびいているものと思ってきましたと何人かの方に言われました、

DM に使った作品です。これを港に持って行って撮影しました。『帆は風とともに』素材はオーガンジー、綿布と刺繍糸。三層になっています。一番下が綿布でそこにはアキーラでドローイングがされています。その上に重なっているのはオーガンジー、白い糸の刺繍、一番上もオーガンジー、青い糸の刺繍です。



実はこちらの作品が最初にできました。テキスタイルで帆を作る、それがまず決まっていて、友達や義母の遺品、姉のものなどいろいろな思い出のある布を使ってコラージュのようにしてからオーガンジー生地でレイヤーしました。当初は様々な古布を集めに集めて、作品そのものもコンセプトもともに重たいコラージュを作ったのですが、その重さ、私じゃないと気づき、再制作しました。作品が伝えてくれました。あなたは重たい人ではありませんと。それは案外良いメッセージであったと思います。


帆を作ろうと思ったのは、この博物館が船の博物館でもあり美しい帆船が多く展示されていたことに心が惹かれたからでした。そこから、港への思いや、自分の船出のようなことへとふくらんでいきました。
この二作は、とても実験的なもので、次のグランシップでの展示につなげるための制作でもありました。
自信は全くありませんでしたが、何度も会場に足を運び、来場の方々とお話ししてゆくうちに、わかったことも多くありました。
いろんな助言をしてくださる方もいました。会場に風を起こしてたなびかせたらどうかとか、たなびく様を動画で記録したらどうか、など。ありがたいことです。
昨年8月のアートカゲヤマ、10月の足利artspace &cafeにも出したペンのドローイング作品、新作3点を加えて展示しました。
煉瓦の壁にはよく似合う額装作品でした。

青の並びで調和はとれたかもしれません。
展覧会は終りましたが、オーガンジーと白と青の刺繍糸によるステッチドローイングを広げている今です。