10年目を歩く（６） エリカ美容室

旅先で美容室に行くことを、この10年目を歩くの旅でやってみようと決めていました

20代だった日にスペインの旅でショートカットにしたことがありますがあの時以来です。

美容室は世間そのものだし、美容師さんは通りすがりの旅人にだっていろんなよもやま話をしてくれるだろう。福島の人と話してみたいと思いました

浪江焼きそばを食べ終わってから、スマホで「近くの美容室」で検索して出てきたのは、駅からほど近い『エリカ美容室』。

こんにちはとそっとドアを開けると50代後半ぐらいかなの女性の美容師さんが迎えてくれました

予約もないんですが。。。

どうぞ。いいですよ～

あまり待たされずに鏡の前に座らせてくれました。

切ってくれたのは、その女性美容師さんの息子さんであると後からわかった29歳の男性美容師さんでした。

明るい人で、たくさんのお話をしてくれました。

自由が丘で美容師をしていたが、最近福島に戻って来た。ここは祖母の代からの美容室。なんかここで美容師をしたくなって。

東京での仕事をやめてから2ヶ月半、車で全国を旅しましたよ。

静岡からきたんですか？！静岡といえば『さわやか』ですね！めちゃ美味しくて延泊して次の日も行っちゃった。

全国いろいろ行きましたよ。水俣って知らなかったけど行って知りました。知らなかったんだなあと思いましたね。あと夕張。炭鉱の街の今をみましたね。いろいろ思いましたよ。

僕エスティマっていうワンボックスカーで旅したんです。ずっと車中泊。それを貧乏な旅と思ってはじめたけど、そんなことなかった、自分はリッチなんだと思いました。いろんな人がいた。あとね、美味しいものは寒い地方にあると思いましたね。特に北海道の食べるものが僕には美味しかった。九州の方のお醤油甘くて。

10年目で旅してるんですか。10年目って言っても変わりはないですよ。

風評被害ってよく言われたけどあれ無理もないですよ、僕がお客さんの立場だったらやっぱり放射能怖いから買わないと思いますよ。福島の果物とか野菜とか米とか。福島は運が悪いそれは思いますね。運が悪かったんですよ、福島は。

イメチェンのヘアスタイルを提案してくれたけれど、結局3センチだけ切ってもらった。それでも、ちょっと変われた感じで華やぎました。上手なカット、セットも素敵で細やかな美容師さんでした。

お母さんと2人で店の外まで送ってくれました。また福島に来ます、その時にはまた切ってくださいねと言った。外交辞令でなく。

福島に行きつけを作ってしまった。なんて嬉しい。