三月1日から始まっているグランシップでの大規模展示は会期半分を過ぎました。
先月5月20日に、二回目の作品設営が終わり、これで予定していた作品のすべてが展示されました。
グランシップのリニューアル工事期間でもあり、変則的な設営となりました。
本フライヤーは全作品展示が終わってその撮影が済んでからの制作と決まっているということで、目下編集中です。
このブログで、すこしずつ作品を紹介して行こうと思います。

これは、ガラスショウウィンドーと呼ばれている展示スペースでの作品です。
東静岡駅南口に降りてからグランシップに向かって歩いてゆきます。グランシップの建物にさしかかるとすぐ左手にこのウィンドウがあります。
画像に人が入っているので作品のサイズ感が伝わるかと思います。
向かって左手、西側は、越前和紙にオイルバーで描いたドローイング四点の構成です。
いずれも長尺の作品ですが、高さ5メートルほどのところに設置している丸棒に作品を掛けてあります。
左から作品の幅は、150cm、240cm,100cm、100cmです。
左の3点が、今回の展示のために新しく描いたものです。長さは、10メートルから15メートルほどあり、その一部を見せています。

どれもアトリエではとても制作できないサイズです。
非常勤で勤務している高校の美術室の床に広げて描きました。授業のない日や長期休暇の時など。
美術室の重たい作業机と椅子を全て片側に寄せて広いスペースを作り、年末から一月二月と制作しました。
だから私の作品の最初の鑑賞者は、一緒に美術室を使っている美術部の高校生たちです。
でも、彼らがいると、制作に集中できないので、部活が始まる時間帯には、乾かすだけにしていました。
高校生たちの漏らす素朴な感想はなかなかよいものでした。

映り込んでいるのは、グランシップと道を隔てて建っているビル群です。
このショウウィンドーは、昼間、作品を近くで見ようとするとどうしても後ろのビルが映り込んでしまいます。
だから、ここの展示はむずかしいとか、作品がよく見えなくて,いいスペースとは言えない、などいわれてきたようです。
でも、映り込んでいることがこんなふうに撮影されてみると、私にはある気付きがあったのでした。
私のドローイングにとってとても意味深い気付きです。