10月12日
初日です。
でも完成できていないので午前8時過ぎにギャラリーに向かう。オープンは10時。間に合わせなくては。
作品にキャプションをつける。
作ってなかったノリパネの制作、会場入り口の設営など。
張り出せなかった写真への未練がまだあって、出したいとまだ思う写真とそうでないものを分類する。
綺麗に並べておけばもっと的確な選択ができたかもしれないと思う気持ちと、乱雑なまま直感で選んだ写真でよかったんだという気持ちとが交錯する。
直感でやっても理性的にやっても変わらないように思った。
理性と言いながら結局は全部が直感ともいえる。
10時を過ぎても会場を整えられなかった。ランダムな張り出しを整えることにまた時間を使った。だが良い展示になったと思う。
お昼前に福島民友の取材。
震災のことを県外の人が作品にすること、それをどう感じるのか私は逆に聞きたかったけれど。
私は、特に取材に対して用意していた言葉はなく、素直に質問に答えて終わる。旅について反応してくれた記者さんだった。
午後には福島民報の取材。
静岡で言ったら、静岡新聞と中日新聞みたいな感じかなあと思いつつ、二つ目の取材を受ける。
プレスリリースをきちんと作り、事前に広報してくださっているおかげだと思う。
個展で、ギャラリーにプレスリリースを作ってもらうのは初めてだ。とても嬉しい。
福島民報の記者さんは、旅のことよりもドローイング自体に関心を持ってくださった。
地元紙の記者さんは、文化のみならず色々な取材をオールラウンドにこなすのだろうが、この記者さんの作品に対しての眼差しに温度を感じる。
いわきからN野さん。
福島市におついでがあったようですが、初日に来ていただけるのは本当に嬉しいこと。
お話しする中で、昨年作った作品集のこと、終わったばかりのグランシップでの展示のことについてもふれてくださる。ここにも一人私の活動をしっかり見ていてくださっている人がいる。
今年3月に始めた福島の旅、出発はいわきだった。その時の写真を見ながらの会場での対話。
10年目と言っても、確かにいわきは何もなかったですねえ、など。
そしてその後に、常磐線で起こったことをお話しすると、会場入り口に掲出したテキストを改めてしっかりと読んでくださる。
こうしたことこそがこの展覧会で一番やりたいことなのかもしれない。
ずっと会場にいたいと思った。