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『乾さんはもっとからだで描いたらどうですか?頭で考えすぎているように感じることがよくあります。』 信頼のおけるギャラリストからいくつかの助言をいただいた昨秋でしたがそのひとつに、からだで描けというものがありました。 SNSには小ぶりのドローイングをよくアップロードさせていますが、グランシップでの大作発表以来、作品のサイズには意識的になっているので、上記の助言には、反論したいような、しかし図星をさされたような複雑な思いが残りました。 それもあって、超大作で名を馳せる遠藤彰子を平塚まで見に行きました。平塚市立美術館での遠藤彰子展、昨秋のことです。 100号以上のサイズの作品でも号数で作品サイズを想像できるのは日本の公募団体の関係者だけではないかと思いますが、遠藤彰子展のサイズキャプションはその数字だったのでここに書くと、300号500号というどでかい作品が平塚市美術館の壁狭しと並んでいました。 遠藤彰子の作品は、光村図書の高校美術3の教科書にも本人の言葉とともにのっており、女子校を中退してでも芸術高校に行った、友だちが課題を一枚出すところ自分は3枚提出していた、といった努力家エピソードが綴られています。でも、高校生も、私も、彼女から学ぶのは作品のスケールの大きさ、空間への意識、緻密な描き込み、ずっと見続けられる終わりのないシュールな物語りです。 平塚市美ではどれも圧巻の作品であり、展示でした。 画面の中に登場する建物、風景、たくさんの人たち、そのモチーフのひとつひとつに何枚ものデッサンや下絵があるのだろうと思って見ました。近作は、一点描くのに一年がかりだそうですが、それも納得のすごい完成度でした。 そして驚くのはやはり何より作品のサイズ。 以前、日曜美術館で、彼女の描いている姿が放映されていましたが、ゆうに2メートルはありそうな高い脚立に登って描き込んでいる姿を覚えています。 大きい作品を描くと気持ちがいい。私はそうです。でも、大きすぎると手にあまり、いえ身体にあまり、何か冗長な線を引いてしまいます。 遠藤彰子は、こんな大きな作品で、自分の身体とのバランスはどうだったのだろうと、そんなことを考えていたら、なんと、会場に遠藤彰子その人が現れたのです。 黒いワンピースのような洋服を着たどちらかと言えば小柄な初老の女性。どこかの学芸員と思しき人と会場で待ち合わせていたようでした。何かの打ち合わせというよりは、伺いますと伝えた人に会場にいますねと約束して会っている風でした。 短い儀礼的挨拶、新作の説明などをされている様子でしたが、くだんの人が去っても遠藤さんは会場にいて、会場内の人と言葉を交わしていました。 それで私も意を決して遠藤彰子さんに声をかけてみたのです。 作品がどれも大きいのですが、作品のサイズはどうやって決めているのですか? 以前、日曜美術館で描いていらっしゃるところを拝見しましたが、高い脚立に登ってまで描きたいサイズなのですか? 遠藤さんは答えてくださいました。 このサイズがね、私の身体にちょうどいいの。 これよりも大きいと無理ね。 絵の前に前に立って背伸びしても筆が届かないほどの大きなサイズ、それが彼女の身体にちょうどいい。 驚きの答えでした。 大きな作品を描きたい思いがあった、大きく描くことに挑戦して描いた、など、努力の到達目標みたいなことではなく、自分が気持ちよく描けるサイズがこのサイズなのよとかろやかにおっしゃるのです。 作品の中に登場する沢山の人物、その一人一人が遠藤さんで、遠藤さんの身体がくまなく駆け巡れるサイズ、世界、空間が、500号というキャンバスサイズなのか、そんなふうにわたしは思います。 そしてわたしもそんな画面空間の中で制作してみたいと思いました。 大きく描かなくちゃという意識ではなく。 それは、冒頭書いた私への助言に対する答えを導く試みになるかもしれません。 からだの声を聞くとは、からだのサイズを自由に変えられる柔らかな精神を持つということなのかもしれません。支持体のサイズの大小にかかわらず。 私も遠藤彰子のような大きな作品を描きたいと思い、同時に小さな作品にも私の身体がこめられるような作品を残したいと思いました。 もう一度見たい遠藤彰子の世界です。自分のからだを確かめに。
by hisakoinui
| 2022-01-24 06:46
| みてきた展覧会
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