2022年10月21日 22日 23日 の三日間遠州横須賀街道ちっちゃな文化展 という市民の芸術祭が行われました。
私は清水邸と呼ばれている街道の中でも古くて立派な古民家の二階で展示させていただきました。
清水邸は築160年ほどの古民家。江戸の末期に建てられたそうです。当時は廻船問屋さん。画像は清水邸の表玄関です。中に入ると広い通し土間があってずっと奥まで行けます。
入ってすぐの右手の座敷に上がり、その奥の箱階段を登ると私の展示スペースです
箱階段はとても急な上に、一段ずつの段差がまちまちで、下りは特に危ないです。段差がまちまちなのは、当時の防犯のやり方の一つなんだそうです。曲者が直ちに下れないように。
座敷が3間続いています。奥から撮った画像です。床の間には掛け軸。その隣に、額装したドローイング。ちゃぶ台の上には、F6スケッチブックの毎日のドローイングを展示しました。初めて掛け軸を作りました。
書とドローイングは似ているようで真逆だとやってみてわかりました。
書には、書くもの=文字があるのです。そこに向かって書き、書き終われば完成。
意味は文字が持っていて、書き手はその解釈をしてそれを表現する。
でもドローイングはそうではありません。
まず、着地点が決まっていない。
描くことは解釈の表明ではなくて、描いてからわかったと思うので書とは反対です。
でも、軸装というゴールが同じ。
面白い経験でした。
もっと軸物を作ってみたいです。
机の上に置いたスケッチブックの1ページです。
全ページ、見開きで真ん中のバネをまたいで描いていて、従って、すべてが裏とおもての両方に描かれています。
奥の間にメイン作品を展示しました。
グランシップで2021年に展示した作品です。幅は320cm丈は280cm 白の刺繍ドローイングと青の刺繍ドローイングがレイヤーされています。風が吹くので作品が揺れます。
グランシップの展示では起こらなかったことです。
これまでに参加した時の会場はほとんど歯医者さんのガレージでした。人通りが多くてワークショップ向きで、そこでくじびきドローイングが生まれました。
作品展示でも、オイルバー の大作を貼り出して、強さを強調しました。
でも今回の会場は落ち着いていて、これまでとは違う展示になったように思います。
どちらにも良さがありますが、会場主である清水さんとの交流ができたことは今年の収穫だったと思います。