美術史の授業は難しい。
準備にはとても時間がかかるのに、普通にやると、生徒たちはみんな寝ている。
それで、景品付きで難問クイズを作ったり、5分間だけだから起きててね!と毎時間の授業の冒頭にショートショートレクチャーをやってみたり、と、いろいろやってみました。
どれもそれなりに楽しくやれたのですが、
今年は、いわゆる調べ学習という体で、生徒一人一人が一つの作品を調べてイラストボードに模写込みでレイアウトするという大作に取り組んでみました。A2イラストボード。
お金も時間も無尽蔵にあるという前提で、実際にその作品を観に行ったという形に仕上げるという条件をつけました。
自宅から美術館までどうやって行ったとか、どこに泊まって何食べたとか、そういうことも盛り込んでみてね!という課題です。
生徒たちの発表会の1回目が昨日でした。
調べるのに4コマ、制作に6コマ使っても全然足りなくて、課題とさせてしまったのは私の課題ですが、みんなきちんと完成させてきて、みんな偉いなあと今度も思いました。
発表を聞いて、それぞれコメントを渡して、という発表会でした。
ムンクの叫びは、叫んでいるんじゃない、耳を塞いでいるんだとか、マグリットは14歳の時の母の自殺が、生涯の制作の根拠になっているとか、高校生たちは彼らなりのリサーチをして、私の眠たいレクチャーよりもたくさん学んでくれたように思いました。
NYのMOMAに行った子はバカラホテルに泊まったり、ルーブル美術館に一泊で帰ってくる贅沢旅行を考えたりと、高校生の妄想美術紀行の妄想無限大で、若い妄想に触れて楽しいばかりの私でした。