中之条ビエンナーレ 公式記録動画が配信されました。
中之条ビエンナーレでは、くじびきドローイングをエデュケーションプログラムでという採用だったので、会期前の二つの小学校でのワークショップが私のメインの活動でした。
かつて中之条には、九つの小学校があったのに、過疎化により今は二つしかありません。
その二つをくじドロが繋げるというのが今回の私の提案でした。
そのために二つの小学校への下見、関係の皆さんとの打ち合わせ、具体的なワークショップ準備など、さまざまやってきたのでしたが、ワークショップ当日の頃が、姉の看取りと重なってしまいました。
臨終の床にあると言っても姉はまだ生きており、あと何日かは頑張ってくれるかもしれない、私は、この二泊三日の、私のメイン企画になんとしても行くべきではないのかと激しく迷いました。でも、姉の看取りについては私がキイパーソンであり私が全ての判断と決断をしなければならない立場にいました。
結局、私は群馬行きを断念し、いつもくじドロを支えてくれているチームくじドロのメンバーに代行でワークショップをしてもらいました。
ビエンナーレ事務局の私の担当さんは、20代後半の若い方でしたが、とても暖かくこまやかに私の現状に寄り添ってくれました。
動画を見ると、チームのふたりだけでなく、事務局のお二人のテプラ打ち、子どもたちの担任の先生のお声がけなど、たくさんの人たちが一緒に作ってくれたワークショップだったことがわかりました。もちろん、ふたりから報告は受けてはいたのですが、改めて感動を以て観ました。
これは、くじドロのある種の理想形なのかもしれません。
乾久子がファシリテートしなくてもこんなに素敵なワークショップが生まれている。
動画の後半は展示の記録です。
廃校になった旧伊参小学校の二階図書室が展示会場です。
言葉とアーカイブの展示、そしてくじびきドローイング自体も参加型で作品を増やしていく形をとりました。
動画では、参加者のいない空間が記録されています。
アーカイブブックの部分では、くじドロが始まった2008年の遠州横須賀街道ちっちゃな文化展の背表紙、学校でのくじドロ紹介として私の勤務校でもある静岡県立浜松商業高校の背表紙、各地のくじドロとして、福島のはまなかあいづ文化連携プロジェクト主催での別府清島アパート、などが紹介されています。
動画撮影に立ち会ったわけではないのに、くじドロが全国で行われてきたこと、くじドロの本質は言葉にあることを丁寧に美しく撮ってくださってあり、私のくじドロへの気持ちにこんなにも誤差なく寄り添ってもらえていると、本当に嬉しかった。
動画の長さは15分ほどです。
ご覧いただけましたら幸いです。