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3月10日 猪苗代のアルパインロッジに泊まろうと思ったのは、ここで働く平山とし子さんにもう一度会いたいと思ったからです。 2021年の夏、10年目を歩く旅をしている時にここで出会い、富岡から避難してきた高校生たちとのお話しをたくさん聞かせていただきました。10年目の旅をまとめながら平山さんに掲載の確認などをしている中で、もう一度お話を聞きたい思いが生まれたのです。 アルパインロッジは今日も美味しい朝ごはんでした。食べ終わるころに平山さんが会いに来てくださいました。今日は勤務日ではなかったのに、私からの事前連絡でわざわざ出向いてくださったのです。 平山さんは3年前より少しほっそりとしてちょっと綺麗になられたように感じました。そして明るく若々しくなったようにも。 (もちろんそんなことは口には出せませんが、男であれ女であれ、以前より綺麗になったりかっこよくなっていたりする姿を見るのは好きです。何かいいことあったかなと想像するととても楽しいからです。) 平山さんは富岡の子どもたちとのその後の交流のお話をまずはしてくださいました。 3年前には、震災時ここに避難して来てお世話をした子に結婚式に呼ばれていることを嬉しそうに話してくださいましたが、今日は、その子がもうお母さんになっているというお話を聞きました。そんなふうに、平山さんの震災後の物語は続いていたんだとすごく嬉しくなって、その子はもう平山さんの外孫ですねというと、本当に!と相好を崩すのでした。 平山さんは、3年前にお聞きしたような子どもたちとの交流やご飯作りで彼らを愛したエピソードをまた今度も話してくれましたが、3年前には口に出さなかったことも話してくださいました。 ひとつは、富岡の高校に入学して来るバトミントンの選手たちは特別な存在なので、彼らの帰還後のことなどは手厚い待遇となっていること。選手たちのバトミントンの活躍を伝える立派な冊子を何冊も見せてくださいましたが、そのページを開きながら、結局、あの子たちは復興の広告塔になっているんだよねとおっしゃるのでした。 もうひとつは、猪苗代にいる自分には、本当の共感はできないんだということを何度もおっしゃったことです。 平山さんには、浪江町から猪苗代に来たお知り合いがいらっしゃるそうですが、その人の苦労は本当にはわからないというのです。浪江の人たちは、同心円の距離で言ったら原発からはある程度あったけれどあの日の雲の動きがあったでしょう?だから相当厳しいことになったのに、原発お膝元の大熊町とは補償額が違ってすごく気の毒なんですよ。でもそういうこと、私たちには、心から共感できてないし、そもそも本当の共感なんてできないことなんです。それほど、被災のひとつひとつがひとりひとりデリケートで、みんなそれぞれの事情があります。だから気の毒と思っても100パーセント共感できているとはとても言えません。福島ってひとくちで言っても本当にそれぞれで、、といったことを話してくださったのでした。 そうしたことを聞くと、それでは私はどうしたらいいのだろうと思ってしまいます。私など、福島県民でもないわけですから。 多くの暖かな福島の人たちが、そんなことありません、福島を思ってくださるだけで嬉しいんです来ていただけるだけでありがたいんですと優しい言葉をくださるけれど、平山さんですら被災当事者への遠慮と届かなさを持つのだから私など話にならない距離にいるのだと思いました。 今編集中の10年目を歩くの本の原稿を長男に読んでもらったことがあります。その時彼は言下に、お母さんは尊大で勉強不足だと言いました。それは具体的には今日平山さんが言ったようなことに私はしっかり向き合わず何か自分の想像力でカバーできているような気になっていたことを指すのだろうと長男の言葉を反芻しました。その時は厳しい言葉をくれるのはありがたいと思ったのですが、ただそう思っただけで止まっていた私だったかもしれません。 この旅から帰って数日後に会った浜松の友人との会話の中でも、福島に行って来た、13年目だしと伝えると、自分には実感が全然ない、親戚か友だちが被災したとかそういうことでもなければ自分のことにはならないと思うと言われました。 その突き放すような言い方の方が、福島の人たちを傷つけないのかもしれないと思ってその言葉を聞きました。 でも、そうであっても、福島を歩きたい福島を知りたい私がいるのです。 ともあれ、私が福島を歩きその展示をしたり記録を残そうとしていることをお伝えした2021年とその後のやり取りの中で、平山さんは私の何かを信じてくださったのかもしれません。それで3年前には聞けなかった彼女の本音のようなものに触れさせていただけだのだとすれば、それは何かの広がりであるのかもしれません。 そう思いたいものです。
by hisakoinui
| 2024-03-18 14:59
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