昨日の外出がたたったか、また再発でとほほでした。でも午前中はお客さんが来てくれたし、午後からは子ども会のお手伝いやら、ギャラリーCAVEでのオープニングやらにがんばって出かけ、なんか充実(?)していました。
CAVEでは多摩美を出たての若い人たちのグループ展。センスが良くてコンセプトも確かで見せ方が上手でした。お話を聞いてみるとものすごく自分に自信を持っていることが伝わって来てすごいなあと思いました。でも、私は、作品をあまりいいと思えなかった、んだよね。既存の現代美術のストーリーに何の疑いも抱かないの?迷いや泥臭さ、それに伴う温度がなぜないの?若い人なら、ということで言っているのではありません。でもあまりにそつがなさ過ぎて、『今』でありすぎて。地方のオルタナスペースでやるなら、もっとばかばかしい実験をしてしまえばいいのに。なあんて、人のことは言えないけど、自分の立ち位置再確認。
とても面白い本を読みました。
『わたしを離さないで』カズオ イシグロ 土屋政夫訳 早川書房 2006
31歳の『私』は14年勤めた介護人の仕事を終えた、というところから物語は始まる。介護人とは何?提供者とは?という疑問にはすぐには答えは与えられずに『私』の子ども時代の回想が始まる。そこで明かされる戦慄のストーリー。これは遺伝子操作やクローンの生産が可能になった近未来の物語なのだ。絶望を知らされてなお、『人』は生きて行けるものなのか?学校の図書室で国語の先生に勧められて借りたのだけれど、本やに行ったら平積みになっていた。売れているんですね。