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2月26日 画廊近くのホテルでの最後の朝食。 ブレッチェンといわれるドイツのパン。フランスパンみたいな固さだけどもうちょっともっちりしていて、小さくてかたちは丸い。とてもおいしくて私は好き。それからコーヒーとさめたゆでたまごとカップに入ったヨーグルトと少しのハム。毎朝同じメニューでBGMはいつもアメリカのちょっと古めのポップスだ。ドイツ人はアメリカのポップスが好きなの?ドイツの若者が聞く音楽を聴いてみたかったのだけど。 ブレッチェンをナイフで横に真ん中で切って蜂蜜をつけて食べながら窓の外のまだ雪が残っている景色を見てぼんやりする。気温は氷点下でも雪が降るのは珍しいそうだ。 ギャラリーに行くと、70歳ぐらいの彫刻家の男性を画廊主のMoenterさんに紹介された。ここMeerbuschに住んでいるかなり有名な人のようだ。 近くに彼の仕事場があるから行っておいでよとMoenterさんが言ってくれたので、彼と車に乗って出かける。私のドイツ語はほんとにカタコトなので、『私はあまりドイツ語がしゃべれません、もしよろしければ英語で話してください』と言ってみたのだが(ドイツ語で)、何を思ったか彼はいきなりフランス語を話しだした。それで私は『ごめんなさい、全然理解できません』と、今度は英語で言ってみたんだけど、彼はスピードを緩めただけでフランス語をやめなかった。どうやら、「この日本人はドイツ語ができない」ということが彼には大きくて、それなら自分が話せるドイツ語以外の言語で話してあげようと思っているらしい。そして多分英語は苦手なんだ。私にしてみればフランス語よりはまだドイツ語の方がましなんだけど、彼がフランス語で言葉を探しながら、一生懸命私をもてなそうとしたり説明しようとしたりしてくれているので、もう言葉について言うのはよして、ドイツなまりのフランス語というのを楽しむ事に決めた。 その時はすぐには気づかなかったけれど、もしかしたら、この人は人生のある期間、フランス語をしゃべっていたのではないか?ずっと昔、コルマールというフランスの田舎町にグリューネバルトの磔刑図を見に行ったときも似たような経験をした。その時は英語が通じなくてフランス語はろくにできないので思い切って土地の人にドイツ語で「すみませんが、、」と話しかけてみたのだ。(だってとっても困っていたのだもの)すると、話しかけられた初老の夫婦は本当に驚き顔で振り向いて、そしてドイツ語で親切に答えてくれたのだ。あとで知ったのだけれどそこは中学の社会科で習ったあのアルザス・ロレーヌ地方なのだった。つまり、自分の国がドイツになったり、フランスになったりした所。 自分の国が時々かわるというような経験は全くないから、私は日本語と言う母語に対して揺らぎがない。というか、私にとって日本語はもう生まれた時から自然にあって変化する事のない空気のようなものなのだ。だから、コトバというものに対してあいまいに付き合っていてもオーケーなんだと思う。 コトバでものごとのリンカクを決めたいヨーロッパの人たちの根拠は、いつも言葉を失うかもしれない脅威にさらされていたというこうした歴史の中にあるのだろうか。(こんなことは岩波新書かどこかで誰かが書いていそうだけれど) さて、彫刻家の仕事場兼自宅はほんとうにすばらしかった。 彼はおもにステンレスの仕事をしているようだが、鉄でも面白いものがたくさんあって、私は少し青木野枝を思い出した。ビデオも写真もやめてくれというので、記録がないのが残念だ。大きな部屋がひとつとそのあとに小さな部屋がいくつも続く彼の仕事場はおそらくはじめは別の用途で別の人が住んでいたものなのだろう。制作のためのアトリエを建てるなどという事はどこの国でもそうたやすい事ではないようだ。 小部屋には紙で作った無数のと言っていいほどたくさんのマケットがあって、私は金属の完成作よりもこちらのほうに共感してしまう。 自宅はまた別の棟にあるのだが、そこに続く中庭には金属の作品がたくさんおいてある。幸せそうにそれらを説明する彼の横顔をはっきり覚えている。 自宅には、多くのアーティストのオリジナル作品があった。部屋は美しく整い、家具調度に凝っている。イヴ・クラインの20号くらいのオリジナルがあったのには驚いた。 彼はどうやらひとりで暮らしているようなのだが、古い写真などもたくさん見せてくれた。
by hisakoinui
| 2005-05-22 12:17
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