和歌山県立美術館で20日から開催されている特別展『森の中で』を見て来ました。
土のアーティスト、栗田宏一さんも参加されていて、初日に行くとギャラリートークもあるということなので、がんばって和歌山まで。
栗田さんの作品を初めて見たのは、2005年のINAXギャラリーだったと思うのですが、そのときは、土ってこんなに美しいんだと素朴に感動し、展覧会については『ああ、こういうやりかたもありなのね』という感じでしたが、2006年、越後妻有でみたときは、かなり感動しました。新潟県内各地の土が採取され、それが古い農家の廃屋の二階の床に美しく並んでいました。
今回は、和歌山県内の108カ所の土を、ガラス瓶に詰めての展示でした。瓶詰めにしてほしくなかった、というのが正直な感想ですが、やはり美しかった。
栗田さんは、タレントの石田靖にそっくりでした。(もうちょっと知的で繊細な感じだったけど。)トークのなかで一番印象深かったのは、土は隣り合わせてみてはじめて美しく見える、そして、どんな土地と隣り合わせても調和する、というくだりです。
自分の生まれたところの土(その土を産土(うぶすな)っていうのですね)、今すんでいるところ、よくでかけるところ、思いでの土地、そうしたところの土を私も採取して、土のコレクションをしたくなりました。
土から絵の具も作れるようだし、自分の足もとからものがたりを生み出していくことをわたしもやりたくなりました。土のメタファーと土そのものと、様々な事を想像できた美しい時間でした。