『森のなかで』展は、和歌山県内の三つの美術館の共同企画で、もの派の作家の立体や、写真、映像、絵画、植物学者の発表、など多岐にわたっていました。
水と森の地、和歌山の、サイトスペシフィックな企画ということなのでしょうね。
思っていたよりずっと地味な展覧会で、図録も出来ていないし、そもそも県立美術館自体が地味でしたが、こぶりながら面白い企画でした。
予想されていた事ですが南方熊楠へのオマージュ作品もあって、やっぱりそういうことになるんだろうなという感想を持ちましたが、なんにせよ、オマージュではだめ、かな。力作でしたが。
でも、鑑賞後、熊楠のことをもっと知りたいと思ったから、オマージュ作品の意図としては成功。どっちなんだ?
20年以上前の若い日に熊楠の事を熱く語っていたひと(そのひとは人類学を学んでいたのですが)のことを思い出しました。だから、かどうか、熊楠はいわゆる、名にし負うエンサイクロペディスト、というフレーム以上の、温度のある存在です、私には。
さて、夜の和歌山のエクスカーションはこれも地味で、和歌山ラーメンのち地鶏。翌朝は熊野古道を歩くべく田辺まで。そして、いよいよ古道の中辺路へ。熊楠の愛した森はどんなだろう。